リモートか、オフィスか
- 働き方
- 2021年5月6日
昨年3月下旬から、ほぼ1年間リモートワークを体験し、今年3月からオフィスでの仕事を再開しました。いろいろな状況でリモートワークのメリットとデメリットを感じている方がいると思いますが、個人的な体験を書きたいと思います。
リモートワークを始めたきっかけ
昨年、コロナが流行し始めたころ仕事で渡米した友人がいました。彼が3月下旬に帰国する頃、国からは帰国者に対して公共交通機関を使用せずに2週間自主隔離するように要請がでていました。志村けんさんが感染したという報道があり、国全体がコロナ対策に比較的真剣に取り組んでいた時期だったと思います。
その友人が成田空港から自宅まで公共交通機関を使わずに移動する方法について、目処が立たないという話をしていたので、私がレンタカーで迎えに行くということになりました。もし私が迎えに行かなかったら、彼は空港から西東京にある自宅まで歩くつもりだったようです。
成田空港での検疫などで入国には時間がかかるだろうから、少し遅めに到着するようにしたのですが、彼はほとんど足止めをくらうこともなく、むしろ旅行者が少なかったので、すんなり検疫を通り抜けて入国していました。彼が公共交通機関を使わずに帰宅することを見届ける役目を持つ担当者はいなかったようです。これでは、未発症の感染者がかんたんに入国できてしまうだろうな、と空港の対応の簡易さに、日本の法律だから仕方がないとはいえ、驚いたのを覚えています。
彼はゴム手袋とマスクを着用し、私が座る運転席から一番離れた後部座席に座り、私達は車の窓を開け換気しながら、西東京の彼の自宅まで他の誰にも接触することなく移動しました。その後の2週間、彼は自主隔離を徹底しました。幸い発熱などの症状は一切ありませんでした。
私も、万が一のことを考え、彼を迎えに行った翌日から、リモートワークにさせてもらいました。彼を空港に迎えに行くということは、会社には事前に相談していなかったのですが、今思うと軽率な行動だったようにも思われます。幸い、社長を始め会社のみんなからの理解を得られ、自分のペースでリモートワークに移行させてもらえました。
リモートワークをはじめて感じたこと
リモートワークに移行して、最初に感じたことは、朝が楽になったこと。電車での移動をしなくてよくなったことで、朝の時間が増えました。心にも余裕が生まれたような気がしました。
オフィスで仕事をしていたときから、音楽を聴きながら仕事をしてもよかったのですが、自宅だとヘッドフォンなしでアンビエント音を自由に流しながら仕事ができたり、よりリラックスできる環境が気軽に作れました。これにより、以前よりも集中できて仕事が捗っているに感じました。
また、会社からはリモートワークの特別手当が支給されるので、自宅で仕事をすることで余計に発生する光熱費などはカバーできたと感じています。会社にとっても、定期券を支給する必要がなくなったので、経費がいきなり増えるということでもなかったと思うので、迅速に切り替えてもらえたのは助かりました。
しかし、最初はうまくいっていたように思えたリモートワークですが、少しずつ弊害も感じるようになりました。
まず、私の場合は、自宅が狭かったので、仕事をするスペースと居住空間を明確に切り分けることができず、家族もいるので、一日中お互いに影響を与えながら生活するということに疲れを感じるようになりました。これには個人の性格にもよると思いますが、私は区切られた空間が必要だと感じました。
オフィスに戻る
約一年間、リモートワークを体験し、自宅からあまり外に出ない生活が続き、集中力を保つことが難しくなってきたと感じた頃、通勤を再開したい旨を社長に相談しました。仕事のしやすさを優先してよいと承諾してもらい、ストレスなく速やかに通勤を再開してオフィスで仕事をできるようになりました。
通勤電車の混み具合は、コロナ前と比べると少し減っていたような気はしますが、通勤者の多さには少し驚きました。通勤時は歩く距離を増やし、電車に乗る区間を減らして、できるだけソーシャルディスタンスを取り、感染対策としました。通勤を再開して、1ヶ月以上が経過しましたが、いまのところ発熱などは発症していません。
オフィスでの仕事を再開して感じたこと
毎朝通勤することになりましたが、実際に出社しているのは私だけという日が多く、同僚と顔を合わせることはほとんどありません。コミュニケーションについては、リモートワークをしていた頃と同じようにSlackやZoomなどのツールを利用しています。
外を歩くことで運動不足の解消と気分転換が同時にできるので、以前は時間の無駄と感じていた通勤時間も、今では精神的な安定をもたらすという点で、無駄ではなかったのではないかと思うようになりました。
また、自宅から仕事をすることが可能な体制を残しているので、天候が悪かったり気分が乗らない場合は、比較的自由にリモートワークに切り替えられます。
今後について
リモートワークにも、オフィスでの仕事にも、メリット・デメリットがあり、個人の好みや状況によって、合う・合わないがあると思います。当社では、個人の状況や能力に合わせて、各自が活躍できるように、仕事の仕方を選択できるように協力してくれます。今後予期せぬ出来事も発生する可能性はありますが、このコロナ禍という非常時に柔軟に対応してこれたのは、当社の柔軟で社員を大事にする社風があったからだと思っています。
今後も、今取り組んでいるプロジェクトの進捗管理・品質管理などの改善を進めつつ、いろいろな状況で仕事に取り組んでいる社員のみんなが快適に仕事ができるように引き続き努力していきたいと思います。
アメリカの大学で、コンピューター・サイエンスと数学の学士、コンピューター・サイエンスの修士を取得。帰国後、ゲームなどのローカライズをする会社に就職。開発寄りの仕事を探していたところ、シナゲートに拾っていただき、現在はバックエンドを中心にウェブシステムやアプリの開発に従事。日本語と英語でのコミュニケーションが可能。
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